地方自治体の医療系修学資金制度は、経済的な理由から進学を断念せざるを得ない若者を支援する重要な制度です。
同時に地方自治体にとっても、若者の定住を促進し、将来的な人材確保につながるメリットがあります。こうした背景から、この制度の運用は各地方自治体で拡大傾向にあります。
この状況を踏まえ、ガクシーでは900を超える地方自治体を対象に、医療系修学資金制度の実情について独自アンケートを実施しました。
本調査は現場の皆さまからの貴重なご意見・実情を収集し、その結果をもとに奨学金業務のさらなる効率化を推進することを目的としています。ご協力いただいた自治体の皆さまに、心より感謝申し上げます。
医療系修学資金制度とは
今回の調査の核となる「医療系修学資金制度」についてご紹介します。この制度の最大の目的は、地域に必要な専門職の担い手を育成し、確保することです。
対象となるのは、医療・福祉・保育などの分野において、地域での人材確保が特に課題になりやすい専門職です。
主な対象資格の例
看護師・理学療法士・社会福祉士・介護福祉士・保育士 など
医療系修学資金制度のポイント
「医療系修学資金制度」は、若者が安心して学業に専念できるよう設計された学費の貸付制度です。
①貸付の実施:
対象となる大学・専門学校等に進学する方に、在学中の学費や生活費を無利子で貸し付けます。
②返還の免除:
卒業後に、地域で定められた就業場所で一定期間働くことを条件に、貸付金の返還が免除されます。
③返還義務の発生:
資格が取得できなかった場合や、地域で定められた勤務年数に満たない場合には、貸付金の返還義務が生じます。
対象となる資格や支援内容は、それぞれの地方自治体が地域のニーズに合わせて独自に定めています。本制度は経済的に困難な状況にある若者の進学を後押しするだけでなく、地域社会の活性化にも寄与する重要な取り組みです。
地方自治体の医療系修学資金制度の実情調査

本調査は、地方自治体における医療系修学資金制度の実情を把握し、制度運用上の課題を明確化することを目的としています。得られた結果については、地方自治体における奨学金業務の効率化を図る際の参考にさせていただきます。
ガクシーは「若者が夢を諦めなくていい社会の実現」を目指し、本調査結果を奨学金業務におけるより良いサポートの実現に活用していく方針です。
調査の概要
対象:地方自治体の医療関連部署ご担当者様
サンプル数:910自治体
方法:電話調査
調査期間:2025年6月3日〜7月7日
調査内容
・医療系修学資金支給事業の有無
・医療系修学資金支給事業の担当分担
・医療系修学資金の申請受付手段
・医療系修学資金支給状況の管理方法
・医療系修学資金支給管理方法における課題の有無
・医療系修学資金支給管理方法における課題
調査結果の分析

医療系修学資金制度の実情を知ろう!
医療系修学資金支給事業の有無

「医療系就職を目指す方向けの修学資金支給事業に取り組んでいますか?」という設問では、194自治体が取り組んでいると回答しました。
医療系修学資金支給事業の担当分担

現在、医療系修学資金事業を実施していると回答した地方自治体のうち、96%が「修学資金の一連の業務は、ひとつの部署でまとめて担当している」と回答しました。
※教育委員会のほか、福祉関連部署や健康増進部署など、各地方自治体により担当部署は異なります。
医療系修学資金の申請受付手段

医療系修学資金の申請受付手段については、94%が紙で受け付けていると回答。メールや電話、デジタルツールの利用はごくわずかでした。
「戸籍謄本」「在籍証明」など紙資料の提出が多いことから、申請についても紙資料で受け付けている地方自治体が多いことが判明しました。

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医療系修学資金支給状況の管理方法

医療系修学資金支給対象者の情報管理については、紙・Excelで行っていると回答した地方自治体が90%でした。
申請受付後の情報管理についても、システムやアプリなどのデジタルツールを活用していない地方自治体が依然として大多数を占めています。
医療系修学資金支給管理方法における課題の有無

医療系修学資金における支給の管理方法については、31%の地方自治体が「課題がある」と回答しています。
医療系修学資金支給管理方法における課題

「課題がある」と回答した地方自治体に、具体的な課題内容を伺いました。その結果、58%と最も多かったのは「情報が一元化されておらず、迅速な確認・対応が難しい」という回答でした。
また「情報更新が申請者からの自己申告に依存している」「申請者とコミュニケーションが取りづらい」といった声も一定数ありました。
「その他課題」では、以下のような意見が寄せられました。
・大規模な募集では1回あたりの申請者数が多く、学生情報の管理に大きな負担がかかる
・複数の医療職を対象としている場合、職種によって条件が異なるため管理が煩雑になる
・奨学生の管理ステータスをすぐに確認することができず、業務効率が悪い
・過去の学生の返還状況や支給情報を、迅速に確認することができない
・学生情報の変更が手作業のため、担当者の負担が大きい
・紙資料からExcelへのデータ転記に時間を要するうえ、入力ミスが発生するリスクがある
・紙書類をアナログで管理しているため、キャビネットの設置場所を確保するのが難しい

全ての資料をガクシーAgentのシステム上に集約することで、一元管理が可能になるよ!
まとめ

ガクシーが行った全国910自治体を対象とした独自調査により、地方自治体における医療系修学資金制度の運用実態と、現場が抱える具体的な課題が明らかになりました。
医療系修学資金制度は地域への若者定住を促進し、専門分野の人材を確保するために、極めて重要な役割を担う制度です。
しかし、その運用実態に目を向けると、デジタル化の遅れが深刻な状況にあります。申請は紙資料での受付が中心となっており、紙やExcelによる情報管理が9割を越えています。
業務上の課題があると回答した自治体の約6割が情報の一元化を課題として挙げている点も明らかになりました。
若者支援と地域医療の維持を両立するためには、現場の事務負担を軽減し、持続可能な制度運用体制を構築することが急務といえます。
ガクシーは本調査で明らかになった現場の課題に対し、DXの推進を通じて業務効率化をサポートし「若者が夢を諦めなくていい社会の実現」に貢献してまいります。





