

令和6年度から修学支援新制度が拡充され、特に中間所得層への支援として新たに「多子世帯支援」が設けられました。ですが「自分が第IV区分に該当するのか分からない…」「多子世帯って具体的にどういうこと?」といった疑問を抱える学生や保護者の方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、「多子世帯支援」の概要と対象条件についてできるだけ分かりやすく解説します。本記事の最後には「DLして配布するだけでOK!!多子世帯解説」コンテンツをご用意しております! ぜひお読みいただきDLください。
令和7年度改正 修学支援新制度とは?
令和7年度から改正される修学支援新制度は、「多子世帯」の支援が拡大し、家庭の経済状況に関わらず、意欲ある学生が高等教育を受けられるようにするための取り組みです。この制度では、多子世帯への支援拡大や返還不要の給付型奨学金の提供など、学生の経済的負担を大幅に軽減する施策が盛り込まれています。

対象拡大!多子世帯とは?
多子世帯とは、一般的に3人以上の子供を持つ家庭を指しており、子供の教育費や生活費が増えるため、経済的な負担が増加すると言われています。そんな中、令和6年度に拡充された修学支援制度で「多子世帯」が設けられ、令和7年度では支援の枠がさらに拡大しました。
そこで以下では、令和7年度の制度改正に伴う「多子世帯要件」についてまとめました。
多子世帯の認定要件
〈 多子世帯の認定要件 〉
・生計維持者(父母等)の扶養する子等が3人以上
・税情報(2025年度春採用は2024年の税情報)により確認できる生計維持者の被扶養者のうち、以下1,2に該当する者
【1】生計維持者の実子、養子(※「新たに出生した実子(課税情報に反映されない時期)などを含む」)
【2】生計維持者の年下の親族(弟妹)など
マイナンバーを通じて取得する税情報では確認できない情報であるため、基本的には該当する学生から申し出てもらうことが必要となります。
第IV区分「多子世帯」を一文で言うと、生計維持者(保護者など)が扶養する子どもの数が一定条件を満たす世帯のことです。
「子ども」の定義
今回の制度改正により、下記の定義付けがされていますが、一部注意が必要です。
・年齢、実子の要件ではなく、地方税上の扶養親族であれば子どもに該当。
・生計維持者が父母2名の場合、それぞれの扶養親族の数を合算し判断(適用・非適用例あり)
・扶養家族であっても、生計維持者より年長の者または生計維持者の尊属(※)である者は「扶養親族」に該当しない。
(適用例)
・父が扶養する父の妹(学生等本人の叔母) → 父より年長でないため「子ども」に該当
・父が扶養する父の兄弟の子(学生等本人のいとこ) → 父より年長でなければ「子ども」に該当
(非適用例)
・父も母も扶養していない学生等本人の弟 → 扶養親族でないため「子ども」に該当しない
つまり、生計維持者の年下の兄弟姉妹人数がカウントされる可能性があります。
出典:令和7年2月、文部科学省説明資料より
注意すべきポイント
①家計要件
令和6年度では所得制限が適用されていましたが、令和7年度以降の多子世帯に該当する学生は所得によらず満額の授業料減免支援を受けることが可能となる。
②学力基準
奨学金を受ける学生は、次の条件を守る必要があります。
取得単位数が基準以上であること
学業成績が著しく低下しないこと
令和6年度から令和7年度にかけて、学業成績等に係る基準が変更になりますのでご注意ください。

基準を満たさない場合、奨学金の支援が中止されることもあるため、しっかりと学業に取り組むことが求められます。
③資産要件
多子世帯に該当する場合
授業料等減免の対象は資産額が3億円未満
給付型奨学金の対象は資産額が5,000万円未満
の場合該当し、支援を受けることが可能となる。
※授業料等減免のみの支援となる者(減免額/支給額算定基準額が154,500円以上の多子世帯の者や資産額が5,000万円以上の多子世帯の者等)については、授業料等減免の適格認定(家計)に係る情報提供のため、給付奨学生として採用する(支給額は0円、併給調整による控除額は授業料減免分のみ)。
まとめ
令和7年度から改正される修学支援新制度は、経済的な理由で高等教育を諦めることなく、すべての学生が平等に学ぶ機会を得られるように設計されています。多子世帯への支援拡大や給付型奨学金の提供など、具体的な施策を通じて、学生の経済的負担を軽減し、学業に専念できる環境を整えています。この制度の実施により、未来の日本を担う優秀な人材の育成により、社会全体の発展にも寄与することも期待できます。
ダウンロードして配布するだけでOK!! お役立ち資料のDL
「多子世帯」に該当するかどうかや支援条件が複雑で迷ってしまう方も多いと思います。そんな時には、こちらの説明パンフレットをご活用いただき学生への配布をいただければと思います。
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